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AIOとは何か。AIはWebサイト以外の何を参照しているのかまで分解して考える、AI時代の検索最適化
Writer三輪 尚士
CEO / Founder

AIOを考えていく時代に突入
SEOは、これからも重要です。
ただし、SEOだけを見ていては足りない時代に入っています。
その理由は、ユーザーが情報にたどり着く経路が「検索結果の青いリンク」だけではなくなったからです。
GoogleのAI OverviewsやAI Mode、ChatGPT search、Perplexity、CopilotのようなAI型インターフェースは、単にページを順位付けして見せるのではなく、複数の情報源を取り込み、要約し、比較し、答えとして再構成する方向に進んでいます。
GoogleはAI Overviews/AI Modeについて、関連するサブトピックやデータソースへ複数の検索を行う「query fan-out」を使う場合があると説明していますし、OpenAIはChatGPT searchがWebを検索して関連ソース付きで回答すると案内しています。
Perplexityも、自らを「Webを検索し、信頼できるソースを見つけ、統合して答える answer engine」と説明しています。MicrosoftもCopilot ChatがBing検索を使い、利用したソースを表示できるとしています。
つまりAIOを考えるうえで本当に問うべきなのは、「自社サイトをどう最適化するか」だけではありません。AIが自社を理解するために、Web全体のどこから情報を取っているのか。そこに矛盾や空白はないか。
ここまで見なければ、AI時代の可視性は設計できません。
AIOとは何か
AIOは、ここではArtificial Intelligence Optimization、つまりAIに理解され、選ばれ、引用され、推薦されやすくするための最適化として捉えます。
ただし、ここで注意すべきなのは、Googleは「AI Overviewsに出るための特別ルール」を示しているわけではないことです。Googleの公式説明は一貫していて、AI機能でも既存のSEOの基本が有効であり、ページがGoogle Searchにインデックスされ、スニペット表示可能であり、役に立つ信頼できる内容であることが前提だとしています。Bingも、AI回答への引用状況を可視化する「AI Performance」を公開しつつ、改善の方向性として深さ・明快な構造・根拠・鮮度を挙げています。
したがってAIOとは、SEOを捨てることではなく、SEOをAIに再利用される前提で再設計することです。
SEOとAIOの本質的な違い
従来のSEOは、検索結果で順位を取り、クリックを獲得する発想が中心でした。一方AIOは、AIの回答生成プロセスにおいて、情報源として採用されることが中心になります。
この違いは大きいです。
SEOでは「順位」が主戦場でしたが、AIOでは「引用可能性」「再構成しやすさ」「エンティティとしての一貫性」「Web全体での整合性」が重要になります。GoogleのAI機能は、複数のサブ検索やデータソースをまたいで回答を構成しうるため、単一ページだけ強くても、ブランドや会社情報がWeb上で断片化・矛盾していれば不利になりやすいと考えるべきです。
AIはサイト以外に何を参考にしているのか
ここがこの記事の本題です。
結論から言うと、AIが参照する情報源は「自社サイト」だけではありません。
しかも、プラットフォームごとに多少違いはあるものの、共通して重要なのは「公開Web上の情報」「構造化されたデータ」「プラットフォーム固有のデータベース」「ユーザー投稿」「第三者データ」です。
GoogleはBusiness Profileやローカル検索について、情報が公式サイトだけでなく、第三者提供データ、ユーザー投稿、Google自身の収集情報など複数ソースから統合されると明示しています。Knowledge Graphについても、公的ソース、ライセンスデータ、コンテンツオーナーからの情報提供を使うとしています。
以下、実務で押さえるべき参照元をレイヤー別に整理します。
1. 自社の公式サイト
当然ながら最重要です。
GoogleはAI機能でも通常のSearchの技術要件とSEO基礎が前提だとし、テキストで主要情報が存在すること、内部リンクで見つけやすいこと、構造化データが可視テキストと一致することなどを挙げています。
つまり、PDF頼み、画像内文字頼み、JavaScript依存、孤立ページだらけのサイトは不利です。
2. Googleのインデックス
AIがWebを使うにしても、まずは検索エンジン側がページを発見・理解・インデックスできることが前提です。Googleは検索がクローラーでページを発見し、インデックス化したうえで結果に出すと説明しています。AI Overviews/AI Modeの supporting link になるにも、ページがGoogle Searchでインデックスされスニペット表示可能である必要があります。
3. 構造化データ
Googleは、構造化データを通じてページ内容だけでなく、人物・組織・商品など「Webと世界についての情報」を理解すると説明しています。Organization、Product、LocalBusiness、JobPostingなどは、単なる装飾ではなく、AIが解釈しやすい機械可読の手がかりです。
4. Google Business Profile と Google Maps
ローカル系のAIOでは非常に重要です。GoogleはBusiness Profileの情報がGoogle SearchやMaps、さらには第三者サイトやアプリでも使われると説明し、情報源として公式サイトのクロール情報、第三者からのライセンスデータ、ユーザーのレビューや写真、オーナー提供情報、Google自身の取得情報を挙げています。ローカル順位は主に relevance・distance・prominence に基づき、プロフィールの完全性やレビュー対応、写真・動画も推奨されています。さらにGoogle Mapsには、ユーザーレビューのみを元にしたAI review summariesも存在します。
5. Knowledge Graph / Knowledge Panel
会社名やブランド名、人物名でAIが“それが何者か”を理解する際の基盤です。GoogleはKnowledge Graphを「人・場所・物事に関する数十億の事実のデータベース」と説明しており、事実は公共情報ソース、ライセンスデータ、権利者からの提供情報などから来るとしています。自社の公式サイト、組織情報、ロゴ、連絡先、ソーシャルプロフィールの整合性はここに効いてきます。
6. 第三者サイト・まとめサイト・業界ディレクトリ
GoogleはBusiness Profileの情報源として「公に利用可能な情報」や「第三者ライセンスデータ」を明示しています。つまり、業界ポータル、比較サイト、地域ディレクトリ、まとめ記事、レビューサイトなども、AIがブランド理解や事実確認をするときの外部証拠になりえます。ここで会社名・住所・電話番号・サービス説明がバラついていると、AI側の解釈が不安定になります。
7. レビュー、UGC、口コミ
特にローカル、採用、EC、BtoB比較では影響が大きいです。GoogleはBusiness Profileにユーザー投稿のレビューや写真が含まれると説明し、Mapsではレビューを元にした要約も提供しています。つまりAIは、企業が発信した“自己申告”だけではなく、第三者がどう言っているかも見ています。
8. 商品フィード、Merchant Center、ECデータ
ECでは、商品ページ本文だけでなく、Google Merchant CenterのフィードやProduct構造化データが重要です。Googleは、Merchant Centerデータと構造化データを組み合わせて商品理解や表示に使うことがあり、両方を使うと適格性や正確性の最大化につながると説明しています。価格・在庫・配送条件の整合性はAIOでもそのまま重要です。
9. 求人データ、JobPosting、求人サイト
採用文脈では、採用ページ本文だけでなく JobPosting 構造化データや外部求人サイト連携が効きます。GoogleはJobPosting構造化データにより求人向けの特別表示に適格になると案内しています。採用のAIOを考えるなら、採用サイト・Indeed系・求人媒体・Google for Jobs の整合性を見るべきです。
10. 動画、画像、YouTube、メディアファイル
AIはテキストだけを見ているわけではありません。Googleは、重要な内容はテキストで提供しつつ、画像や動画で支えることを推奨し、動画についてはGoogleが動画ファイル自体を取得できることが必要だとしています。YouTubeや動画ページは、ブランド理解や製品理解の補助ソースになりえます。
11. ニュース、学術情報、公的データ、ライセンスデータ
GoogleはKnowledge Graphで、スポーツスコア、株価、天気などにライセンスデータを使うと明示しています。つまりAIは、ジャンルによってはオープンWebだけでなく、公的・専門・ライセンス済みデータベースも参照します。医療、金融、法律、行政、地理、交通のような領域ではこの傾向が特に強いと考えるべきです。
12. AIプロダクトごとの検索基盤
ChatGPT search はWebを検索してソース付きで答えます。PerplexityもWeb検索と信頼できるソースの統合をうたっています。CopilotはBing検索クエリを生成し、使用したソースを表示できます。
つまり「Googleだけ見ていればいい」ではなく、Bing系の可視性や引用可能性も無視できない時代になっています。Microsoftは2026年に、Copilot等でどのURLがAI回答に引用されたかを見られるAI Performanceまで公開しました。
重要なのは「どこから引用されるか」ではなく「どこでも同じ会社として認識されるか」
AIOで本当に怖いのは、情報不足より情報の不一致です。
たとえば、公式サイトには「Webマーケティング会社」と書いてあるのに、Google Business Profileでは「ホームページ制作会社」、比較サイトでは「広告代理店」、求人媒体では「IT企業」、SNSでは「デザイン会社」とバラバラに見えている状態です。
人間なら文脈で補えますが、AIは複数ソースを束ねるため、エンティティの核がぼやけると推薦・引用の一貫性が下がります。
GoogleはKnowledge Graphでエンティティ理解を行い、Organization structured data で組織の識別や曖昧性解消を支援できるとしています。Business Profile、Knowledge Panel、公式サイト、公開Web上の情報を揃えることは、単なるSEO施策ではなく、AI時代の会社の同一性証明です。
AIOで評価されやすいコンテンツの条件
Googleは「人のために作られた、役に立ち、信頼できるコンテンツ」を重視し、自己評価項目として、独自情報・調査・分析、包括性、洞察、他ソースの焼き直しではない付加価値を挙げています。
BingのAI Performance公開でも、引用されやすいページの改善点として、明快な見出し、FAQ、表、根拠データ、鮮度が示されています。
実務的には、次の条件を満たすページが強いです。
定義が明確
・例えば、AIOとは何か、○○とは何かを曖昧にせず、一文で言い切る。
・論点が分解されている
・見出しごとに論点が独立していて、AIが抜き出しやすい。
一次情報がある
事例、実績、検証、担当者の知見、現場の数字がある。
エビデンスがある
公的資料、公式ドキュメント、データ、比較根拠がある。
更新性がある
古い説明を放置せず、更新日と改訂内容が追える。
エンティティが明瞭
誰が書いたか、どの会社か、何の専門家かが明示されている。
企業が今すぐやるべきAIOの実務
AIOは、記事を1本書いて終わる施策ではありません。
やるべきは、「自社をAIが参照する情報面の棚卸し」です。
1. 自社の“公式情報源”を確定する
まずは公式サイト、Business Profile、主要SNS、会社概要、採用ページを基準情報として揃えます。社名表記、住所、電話番号、サービス定義、代表者名、設立年、拠点情報がズレていないかを確認します。GoogleはBusiness Profileの完全性と正確性がローカル表示に重要だとしています。
2. 構造化データを本気で整える
Organization、LocalBusiness、Product、Breadcrumb、JobPostingなど、業種に応じて実装します。Googleは構造化データがページ内容理解や世界知識の把握に使われると説明しています。
3. Google Business Profile を“別媒体”として運用する
営業時間、カテゴリ、説明文、写真、レビュー返信を更新します。Googleはプロフィールの完全性、営業時間、レビュー対応、写真追加を推奨しています。MapsのAI review summaryを考えると、レビューの質そのものも重要です。
4. 第三者サイトの記述を監査する
比較サイト、業界ディレクトリ、まとめ記事、採用媒体、地図系サービスで、自社がどう説明されているか確認します。AIOでは、これらが外部証拠として働く可能性があります。Google自身、Business Profileに第三者データや公的Web情報が入ると説明しています。
5. “AIに抜かれやすい段落”を意識して記事を書く
定義、結論、手順、比較表、FAQを入れます。BingもAI引用改善の方向として明快な見出し、表、FAQを挙げています。
6. 商品・求人・動画は専用データ面も整える
ECなら Merchant Center、採用なら JobPosting、動画ならクロール可能な動画設計まで行います。AIOはページ本文だけではなく、こうした補助データ層も使って理解を深めます。
7. 計測思想を変える
GoogleではAI Overviews/AI Mode経由の掲載はSearch Console上で従来のWeb検索に含まれます。BingではAI PerformanceでAI回答への引用状況が見られます。つまり今後は「順位」だけでなく、引用されたURL、引用されるテーマ、AI回答に使われた grounding query を見るべきです。
まとめ
AIOを「AIに好かれる記事術」とだけ理解すると、本質を外します。
本当に重要なのは、することです。
公式サイトだけを整えても足りません。
Google Business Profile、Google Maps、Knowledge Graph、構造化データ、レビュー、第三者サイト、商品フィード、求人データ、動画、ニュース、公的情報。
AIはこうした複数レイヤーの情報を横断し、矛盾をならし、もっともらしい答えを作ります。Google自身、Business ProfileやKnowledge Graphが複数ソースから情報を統合していることを明示していますし、AI Overviews/AI Modeも複数の検索とデータソースをまたぐ仕組みです。
つまり、AIOの本質は、自社サイトの最適化ではなく、自社というエンティティの最適化です。
AIに選ばれる企業は、文章がうまい企業ではありません。
Web上のどこを見ても、同じ会社として、同じ強みで、同じ専門性で認識される企業です。
サイトだけを作るのでも、記事だけを書くのでもなく、企業の情報を、Web全体で一貫させ、構造化し、信頼として積み上げていく。
つまり必要なのは、デザイン・マーケティング・情報設計を横断して統合できる力です。
アライブはこれまで、単なるホームページ制作ではなく、「成果にフォーカスした伴走支援」として、企業の価値をどう伝え、どう認識され、どう選ばれるかまで設計してきました。AIOという言葉が生まれる前から、「正しく理解されるための情報設計」をやり続けてきた会社です。だからこそ今、SEOのその先であるAIOにおいても、企業の強みを「AIに選ばれる形」に変換することができます。
AIOで相談がある場合は、お気軽にご相談ください。
アライブ創業者。名古屋を拠点に、20年以上にわたり全国の数百社以上の企業のWeb制作・ブランディング、Webマーケティングを支援。住宅、インテリア、製造、物流、医療、介護、観光、小売、飲食、EC、公共団体など幅広い領域で、“課題解決型のWeb制作、Webマーケティング”を強みに、コーポレートサイトからプロダクトサイト、EC、採用サイト、LPまで幅広いプロジェクトをプロデュース、ディレクション。ベトナムでもWeb制作、Webマーケティングを支援している。

