コロナ禍でのベトナム渡航記⑤
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ホームページ提案時に出した見積もり額やスケジュールが変更できない慣習をなくしていきたい
Writer三輪 尚士
CEO / Founder
こんにちは。
アライブ代表 三輪です。
日本のビジネス慣習として、見積もりを最初に提出し、その見積もりで社内決裁を通し、ホームページなどの制作が開始されていくのですが、その後、打ち合わせをしていく中で仕様変更しても見積もり額やスケジュールが変更できないことがよくあります。(もちろん、そうではない場合もあります)
この見積もりやスケジュールを変更できない慣習が、この業界の長時間労働や品質低下に繋がっている部分もあるので、この慣習をなくしていきたいと思っています。
なぜこのような慣習になってしまっているかを考えていきたいと思います。
ホームページ提案時の見積もりの算出の仕方
ホームページの提案時はこのような形で見積もりを算出しています
- お客様からヒアリングをして、必要なページや機能を考える
- 一つずつのページの長さやどんなデザインにしていくかはまだ決まっていないので、今までの経験を元に大体の工数を考える(デザインしていないので本当の見積もりは出せない)
- ホームページの機能はヒアリングの時に確認した仕様(ブログに検索機能を付けたいなど)で見積もる
- 現在いただいている情報を基に見積もりを考える
お客様が提案時の見積もりをもらった後
- もらった見積もりが今回のホームページ制作にかかる費用全てと思い込む(制作会社もしっかり伝えていないのは問題ではある)
- この見積もりで社内で稟議を上げて決裁を取る
見積もりの承認がおり、実際にホームページの制作を初めてみると…
- お客様の要望を叶えようとするとあるページが想定以上の長さになる
- イラストや写真を多用するデザインを希望している
- 打ち合わせをしていく中でどんどん仕様の要望が増えていく(ブログに人気記事機能をつけるなど)
- 追加のページもどんどん出てくる
- ヒアリング時点では知らなかった追加情報がどんどん出てくる
といった感じで、ヒアリング時の見積もり時とは違った要望がたくさん出てきます。
追加の要望が出てくること自体は悪くないと思うのですが、費用やスケジュールの変更をお願いすると、「費用は変えれない」「スケジュールも変えれない」ということが多く起こりがちです。
なぜこれが起こってしまうのでしょうか?
要望が増えたのに費用が変わらない想定理由
- 要望を出したら費用やスケジュールが変わるとは知らなかった。後から言われても納得できない
- 社内稟議を出して決裁を通してしまった。もう一度稟議を上げれない
- 今回のホームページ制作プロジェクトの予算もスケジュールも決まっている。これ以上増やせない
こういった形でお客様側でも費用を増やせない理由があるのも理解しています。
ただし、これを続けていると現場も疲弊しますし、無理な制作とスケジュールで品質も下がっていき悪循環になっていくと思います。
今後のホームページ制作の在り方
こういったことをなくすためには、クライアントも制作会社も両方ともが改善していく姿勢が必要だと思います。
クライアント側
- 初期の見積もりは概算であって、要望によって制作中に変化することを理解する
- 情報や仕様を最初に伝えていないと費用やスケジュールが変わることを理解する
- 費用が変わる時、どこまでの上限の費用にするのかを決めて、制作サイドにも伝える
- 費用が変わることを前提にした決裁を取る
制作会社側
- 最初の段階で仕様が変われば費用やスケジュールが変わることを強く説明する。契約書に盛り込む
- 情報が全て出されていないと後から費用やスケジュールが変わるリスクがあることをお客様側に伝える
- 制作をしていく中で費用が上がる場合、どこまでが上限かを確認する
- 費用を上げれないのであれば、制作中に出た要望は応えれないことをしっかり説明する
- 制作の途中で出る仕様変更や要望は、その都度、スケジュールと納期が変わることをクライアントに伝え、どうするのかを判断してもらう
僕が思うに、日本は製造業で成長した国なので、「初回の見積もりが一番大事」「その見積もりが今後の部品の価格を決定する」「その見積もりの費用と納期で部品を作るのは当たり前。途中で変更はありえない」など、そういった慣習があるのではと思います。
自動車などの部品が途中で値上げされてしまったら利益に大きな影響を受けるのでそれも理解できます。
しかし、製造業の部品は、最初に設計仕様書があり、材料も数量も決まっていて、それをもとに見積もるので、そもそも途中で仕様変更などがあるわけではないので、見積もり通りの費用とスケジュール厳守は理解できます。(途中で原材料高騰や天変地異などによるスケジュール遅れはたまにあると思いますが)
しかし、ホームページは、最初から仕様は決まっておらず、制作中にお客様とコミュニケーションしながら、デザイン的にも、マーケティング的にも、システム的にも最適なものを手探りで作り上げていきます。
UI/UXを向上しようとしたらこの作り方をしないと、素晴らしいホームページは出来上がらないと思います。
仕様が決まって発注する製造業とは違い、仕様が決まっていない中で制作中にコンサルティングをしながら作り上げていくという、唯一無二なクリエイティブな制作業務になるので、費用の考え方は今までと違うものとお客様がも理解してただき、一緒に進めていければと思っています。
アライブ創業者。1980年生まれ。2001年21歳の時に幼なじみとデザイン会社を立ち上げ、数々の失敗をしながら、四苦八苦して会社を成長させていく。現在創業20年以上経ち、日本とベトナムで約140名のスタッフと共にWebマーケティングとデザインでクライアントの成長をサポートし続けている。歴史好き。
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