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<8月1日改正>課徴金制度も導入された「改正薬機法」
Writer大島 麻美
Publicity
はじめに
こんにちは、広報担当の大島です。
今回は、8月1日に改正された「薬機法」についてお話ししたいと思います。
今回行われた薬機法の改正により、広告表現に様々な規制や罰則などが設けられ、「課徴金制度」が導入されましたので、改正薬機法について詳しくお伝えできればと思います。
商品の製造元など実際にその商品に関わる企業はもちろん、広告に関わる人も関係してくるお話しになりますので、アフィリエイターの方のみならず、インフルエンサー、広告会社、WEB制作会社の方なども知っておく必要があるでしょう。
WEBマーケティングに関わる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
まずはじめに「薬機法」とは?!
まずは「薬機法」についてお伝えします。
薬機法という言葉を初めて聞くという方もいるかと思いますが、「薬事法」なら聞いたことがあるのではないでしょうか?
2014年11月25日薬事法が改正され、薬事法の法律名が「薬機法」に改正されました。
つまり、昔で言う「薬事法」のことを「薬機法」といいます。
この薬機法というのは、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品などの品質と有効性や安全性を確保するために、「製造」「表示」「販売」「流通」「広告」などについて細かく定められた法律であり、医薬品等を製造・販売・広告を行う際には必ず関わってくるものとなります。
注意したい点として、薬機法は医薬品や医療機器など医療に関わるもの以外にも、医薬部外品や化粧品、健康食品やサプリメント等にも適応されますので、これらの商品の販売や広告を行う際は、薬機法に違反していないかをしっかりと確認する必要があります。
薬機法における規制(禁止している広告)
1、虚偽誇大広告の禁止(第66条)
そもそも、薬機法における規制の対象は大きく分けて2つあります。
1つは、誇大広告等の禁止です。
以下、厚生労働省のサイトに掲載されている内容となります。詳しくご覧になりたい方はリンク先よりご確認ください。
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。
引用元:(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/koukokukisei/index.html
2、未承認医薬品の広告の禁止(第68条)
2つ目は、承認前の医薬品・医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止です。
こちらは薬機法(第68条)に記載されている内容です。
第六十八条 何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。
引用元:(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/koukokukisei/index.html
例えば、美白化粧品であれば医薬部外品で「メラニンの生成を抑えシミそばかす発生を防ぐ」ということは承認があれば書けますが、「シミが消える」といった表現をすることはできません。
この場合、あくまで承認を取っているのは「メラニンの生成を抑えてシミを防ぐ」という文言になるので、シミが消えると書いてしまうと承認を取っていない扱いとなり、承認前の医薬品・医療機器等の広告にあたってしまうというわけです。
健康食品なども同様で、サプリメントや健康食品など医薬品ではないモノで、「シミが消える」「痩せる」「◯◯が治る」など医薬品による効能を述べてしまうと、それは未承認医薬品の広告とみなされ、薬機法第68条違反になってしまいます。
ちなみに、薬機法の対象者についてですが、66条、68条共に「何人も〜〜〜」とあるように、全ての人が対象となります。事業者のみならず個人でも罰せられるので、注意が必要です。
8月1日に改正された「課徴金制度」とは?
2021年8月1日に改正薬機法が制定され、「課徴金制度」というのが導入されました。
課徴金制度とは何?という方へ簡単にご説明すると、
前章でお伝えした規則のうち66条に違反した場合、期間における対象商品の売り上げの4.5%を課徴金として支払う義務のことをいいます。
これまでの罰則は、「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれの併科」だったのに対し、売り上げの4.5%となるわけですから、金額も大きくなり事業者に対しては大きな痛手となることでしょう。
この改正に至った経緯の一つとして、これまでの罰則である200万円という金額に抑止力が無いという問題もあり、薬機法違反の件数は減るどころか年々増え続けていたそうです。
そのため、今回課徴金制度を導入してより取り締まりを強化していこうという運びのようです。
厚生労働省の課徴金制度の導入についての資料はこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/000609186.pdf
薬機法の「課徴金制度」は誰が対象?!
薬機法は先ほどもお話ししたように「何人(誰でも)」が対象となりますが、課徴金制度は誰が対象となるのでしょうか?
薬機法(第75条5の2)にあります
課徴金対象行為者に対し、課徴金対象期間に取引をした加藤金大正行為に係る医薬品等の対価の額の合計額に100分の4.5を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない
ここでいう「取引」が何を指すかがポイントで、第75条5の2に規定する「取引」とは、例えば製造販売業者・卸売販売業者・販売業者等が行う取引をいいます。
また、新聞や雑誌社・放送事業者・インターネット媒体などの広告事業者など、広告の仲介を行う代理店などは課徴金制度の対象にはなりません。
しかし、この後説明しますが、「措置命令」の対象にはなりますので注意が必要です。
まとめると・・・
【課徴金の対象】
製造販売業者・卸売販売業者・販売業者など「実際に医薬品等の製品を扱う業者」が対象となります。
【課徴金の対象外】
新聞雑誌、インターネット広告代理店など「製品を扱わず広告だけ行う事業者」は対象外となります。
インターネット広告などを行う会社は注意。
措置命令の対象行為とは?!
措置命令の対象行為は、この2つ。全章でお伝えした
●第66条の「虚偽誇大広告」
●第68条の「未承認医薬品の広告」 です。
ここがポイントなのですが、薬機法の課徴金制度は66条の「虚偽誇大広告」を違反した場合に課せられますが、措置命令は66条・68条のどちらも対象となる点です。
実際に措置命令を受けてしまった場合、何をしなければならないかというと、課徴金制度のようにお金を払いなさいということはありませんが、
・違反したことを医薬品関係者及び消費者に周知徹底すること
・再発防止策を講ずること
・違反行為を繰り返さないこと
などが必要です。
措置命令の場合、課徴金はなくても企業としてのイメージは当然低下しますし、その後の事業に影響をもたらす可能性もあります。
課徴金が発生しないからといって、広告事業を行う企業も薬機法に違反しないよう日頃から認識を強めておく必要がありますね。
薬機法の改正により企業が注意すべきポイントは?
では最後に、今後企業が注意すべきポイントについてお話ししたいと思います。
〜課徴金制度が対象となる企業〜
まず、広告主としてしっかり薬機法の知識を深め、「社内での薬事体制の整備」や「外部に依頼する際のチェック体制」などをきちんと確立することが重要かと思われます。
『外部委託しているなら、相手の会社の責任でしょ!』では済まないので、委託する場合も最終的には自社で違反事項がないかを確認する必要があります。
〜課徴金対象外の企業である広告会社やホームページ制作会社〜
今後、今回の薬機法改正に伴い広告主側のコンプライアンスも強化されていくことでしょうから、そうした際に委託側である企業もきちんと対応できるようしっかりと知識を深めておく必要があります。
むしろ、広告の運用を頼まれている側ですから、広告主側よりも深い知識を持っておくべきでしょう。
先ほどもお話ししたとおり、課徴金は対象ではありませんが措置命令の対象ではありますので、広告主から細かな表記など求められなかったとしても、社内で薬機法体制はしっかりと強化し、薬機法に反する広告を行わない基本的な体制作りはより一層強化していく必要があるでしょう。
創業して間もないアライブ初期メンバーの一人。代表である三輪と音楽を通じて知り合い入社。アパレル事業であるボクサーパンツブランドの運営を任される。そこで売上管理・マーケティング・販促計画など、管理者としてのスキルを磨く。その後、代表・三輪の右腕として仕事のいろはを学び、ディレクターを経て広報担当へ。産休を終えて復帰後、自社サイトのブログ執筆活動など主にライターとしての役割を担う。
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