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Web広告の目標CPAはいくらが最適?決め方や計算方法を詳しく解説

2023/11/20 | WEBマーケティング

Web広告の成果の良し悪しは、主に「CPA(Cost Per Acquisition)」と呼ばれる1件あたりの成果に対してかかった費用を示す指標で測られます。

 

ですが、Web広告に関わり始めたばかりの人や、Web広告を外部に任せている企業にとっては「最適な目標CPAはどうやって決めればよいのか?」「今設定している目標CPAは適切なのか?」といった疑問を持つことも少なくないと思います。

 

そこで今回の記事では、これらの疑問を解決すべくWeb広告の正しい目標CPAの決め方を、基本的な部分から実例までマーケティング初心者にもわかりやすく解説していきます。

 

目標CPAの決め方を間違えると、広告費の使いすぎによる赤字や投資対効果の悪化を招くリスクがあります。ぜひこの記事を通じてCPAの効果的な設定方法を理解し、ビジネスの発展につなげていただければ幸いです。

 

 

まずは知っておくべきCPAの基本

Web広告を効果的に運用する上で、CPA(Cost Per Acquisition)の基礎理解は不可欠です。

ここでは、CPAの基本的な概念や計算方法、そしてビジネスに与える影響について解説していきます。

 

CPAとは

CPAはCost Per AcquisitionまたはCost Per Actionの略で、顧客の獲得や購入など成果(コンバージョン)を1件獲得するためにかかった広告費用を示す指標。日本語では「顧客獲得単価」や「コンバージョン単価」とも呼ばれています。

この指標はWeb広告の効率性を測る上で非常に重要な役割を果たしていて、CPAが低いほど、小さなコストでより多くの成果を獲得していることを意味し、逆にCPAが高い場合は、広告費用の見直しや戦略の改善が必要になります。

 

 CPAの計算方法

CPAの計算は、全体の広告費用をコンバージョン数で割ることで求めることができます。

 

式で表すと以下のようになります。

「CPA = 全体の広告費用 ÷ コンバージョン数」

 

コンバージョンの内容は、ビジネスカテゴリや商材によって異なりますが、一般的にBtoBビジネスであれば「お問い合わせ」や「資料請求」、BtoCビジネスであれば「サービスへの申し込み」「商品の購入」などを設定するケースがほとんどです。

 

例えば、10,000円の広告費を使って5件の問い合わせを獲得した場合、CPAは2,000円という計算になります。

この計算により、特定のWeb広告がどれだけ効果的であるかを判断することができます。

 

CPAはビジネスにどう影響するのか?

CPAはWeb広告を運用する上で、実際にかけた広告費がどれだけの利益に貢献しているかを定量的に測るための重要な指標です。

 

CPAが高すぎる状態は、広告にかけた費用がリターンに結びついておらず、生み出される利益以上に広告費を使っている可能性を示しています。

一方で低いCPAは、少ない広告費用で多くの成果を生み出していることを意味し、その結果、投じた広告費以上の利益を生み出す可能性が高まります。

 

このCPAの「高い・低い」を適切に判断するためには、まずは目標CPAを設定する必要があります。そして、Web広告は投資活動にあたるため投資以上のリターンを出してこそ意味があります。

目標CPAを正しく設定しないとCPAが低いと思っていたのに、実際は投資対効果がマイナスだったと言ったことも起こり得ますので注意が必要です。

この次の章では、適切な目標CPAの決め方を詳しく解説していきます。

 

 

適切な目標CPAの求め方はケース別で異なる

適切な目標CPAを定める上で、まず前提に「限界CPA」を知っておくことが重要です。

限界CPAとは、ここまでなら広告費をかけても赤字にならないというCPAのボーダーラインのことを言います。別の視点でみると営業利益とほぼ同義と考えてもよいでしょう。

 

以下が「限界CPA」の計算式です。

限界CPA = 売上単価ー原価ー1商品あたりの平均販管費

 

例えば、1回の購入における売上単価が10,000円、原価が5,000円、販管費等の経費が3,000円の場合、残る利益は2,000円です。

1回の購入を得るための広告費が2,000円以上になると赤字になってしまうため、このケースにおける「限界CPA」は2,000円という計算になります。

 

これを踏まえて、ビジネスケース別で適切な目標CPAの決め方を説明します。

 

BtoC事業のケース

BtoC事業の場合は、特性によってリピート購入が期待できる商材と、できない商材があります。

それぞれのケース毎に見ていきましょう。

 

リピート購入なしの場合

まずは高額商品や冠婚葬祭商材など、一度購入するとすぐにはリピート購入が期待できない商品を販売するケースについて解説します。

 

コンバージョン目標を1回の商品購入に設定した場合は、まず限界CPAを導き出します。

 

どの事業にも、決算時に確保しておきたい最終利益目標が設定されているので、目標CPAは限界CPAからその利益目標を差し引いた金額以下になるように設定しましょう。

 

限界CPA = 売上単価 ー 原価 ー 1商品あたりの平均販管費

↓↓↓

目標CPA ≦ 限界CPA ー 1商品あたりの最終目標利益

 

具体例を挙げて見ていきましょう。

1回の購入における売上単価が10,000円、原価が5,000円、販管費等の経費が3,000円と仮定した場合、残る利益は2,000円です。

10%の最終利益目標を掲げている場合は、最低でも1,000円の利益は残るようにしたいため、このケースでの目標CPAは1,000円以下に設定することが適切と言えます。

 

なお、「販管費等の経費」は事業全体の販管費率を確認した上で算出します。ここでは事業の販売管理費を30%と仮定して3,000円としています。

 

リピート購入ありの場合

化粧品や健康食品、サブスクリプションサービスなど、一度購入すると定期的にリピート購入が期待される商品の場合は、LTVという概念に基づいて目標CPAを算出します。

 

LTVとはLife Time Value(ライフタイムバリュー)の略称で、日本語では「顧客生涯価値」とも呼ばれます。ある1人の顧客が自社と取引を始めてから終了までの間に、もたらしてくれる利益の総額を示す指標です。

 

LTVの計算方法は以下のようになります。

LTV=平均購入単価×利益率×平均購買頻度×平均継続期間

 

LTVの例を挙げてみましょう。

平均購入単価が10,000円、利益率が20%、購入頻度が月1回、継続期間が12ヶ月とした場合は、1顧客あたりのLTVは24,000円という計算になります

 

このLTVを元に、目標CPAを決めるには以下のような計算式を用います。

 

目標CPA ≦ LTVー1顧客あたりの目標利益

 

1顧客が生み出す想定利益の総額に対して、確保したい目標利益を差し引いた金額を超えないように設定するのがリピート購入ありのケースにおける正しい目標CPAの設定方法になります。

 

1顧客あたりのLTVは24,000円、かつ利益目標が10%の場合は、1顧客あたりの合計売上額120,000円に対する10%=12,000円を利益として確保したいので、「LTV24,000円ー目標利益12,000円」として、目標CPAは12,000円以下に設定するのがよいでしょう。

 

BtoB事業のケース

BtoB事業の場合、主なコンバージョン地点は「お問い合わせ」や「資料請求」に設定されます。

「お問い合わせ」や「資料請求」はすぐに売上が発生しないリード顧客の獲得を意味します。そのため、このケースにおいてはリード顧客との初回接触から、商談フェーズを経て、受注に至るという流れが存在します。

 

BtoB事業のWeb広告で目標CPAを設定する際は、この流れにおける「成約率」を見ておく必要があります。

まず限界CPAを算出して、それに成約率を掛け合わせ、そこから1顧客あたりの目標利益を差し引くことで、適切な目標CPAを算出できます。具体的には以下のような計算式です。

 

限界CPA=売上単価ー原価ー1商品あたりの平均販管費

↓↓↓

目標CPA≦ (限界CPA × 成約率)ー1顧客あたりの目標利益

 

例えば、一度の成約で50万円の売上が発生する際の商品原価が20万円、平均販管費が10万円だと仮定します。

この場合の限界CPAは20万円ですが、コンバージョンに対する成約率が30%の場合は1人のリード獲得に60,000円まで使用できる計算になります。

また、利益目標が10%の場合は1成約あたり50,000円(売上単価の10%)を利益として確保したいので、適切な目標CPAは10,000円以下になります。

 

 

目標CPAを決める際の注意点

目標CPAを定める際は、闇雲にCPAを低く抑えようとするのではなく、上記でも説明したとおり「広告によって生み出される利益」をしっかり鑑みることが大切です。

リピート購入が期待できる通販では、1顧客のあたりLTVをあげる戦略を取ることで利益が増加し、BtoB事業であれば成約率をあげることで余裕を持った目標CPAを設定できるようになります。

逆をいえば、LTVや成約率が低すぎると、1コンバージョンを獲得するための目標CPAを無理のある価格に設定せざるをえない状況になり、かけた広告費に対して十分なリターンを得られない可能性も出てきます。

 

Web広告でCPAだけを下げようとすることのリスクについては、別の記事でも詳しく解説しているので合わせてご覧ください。

>> Web広告でCPAだけを下げようとするのは危険です

 

 

まとめ

今回はWeb広告の最適な目標CPAの決め方について詳しく解説しましたが、いかがだったでしょうか?

 

Web広告代理運用サービスを提供する企業ですら、目標CPAを正しく設定できていないところは一定数存在するので、発注時には注意が必要です。

 

Web広告を外部企業に委託する際は、広告運用の実績や、知見レベルを十分に確認した上で、選定することをオススメします。

 

アライブは、現在毎月50社以上の企業様に対してWEB広告運用の代行を承っております。

この記事で解説したような適切なCPAを設定した上で、しっかりと成果に結びつく戦略を立て多くのお客様の集客改善を行ってきた実績が多数ございます。 

 

Web広告やマーケティング全般でお困りの際はぜひ一度アライブにご相談いただけると幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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