マーケティングはブランディングより優先すべきか
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Web広告でCPAだけを下げようとするのは危険です
Web広告をマーケティング会社に外部委託していたり、自社のマーケティングチームで運用していたりする企業のマーケティング担当者の方々へ。
Web広告はCPAを下げることが1番重要と考えていませんか?
今回は「実はWeb広告はCPAに拘りすぎると危険」というテーマで記事を書きました。
この記事では
- CPAばかりに拘ると危険な理由
- CPAの代わりに見るべきはどの指標なのか
- CPAの正しい扱い方
- WEB広告を効果的に運用する方法
など、CPAに拘ることが危険である理由からその具体的な対策まで網羅的に解説しています。
企業のマーケティング担当の方は、今携わっているWeb広告を本質的に改善させるヒントとしてぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
CPAとは
はじめにCPAの基礎知識についておさらいしておきます。
CPAとは「Cost Per Acquisition」または「Cost Per Action」の略称で「顧客獲得単価」のことを指します。
購買や資料請求、問い合わせのコンバージョン(CV)を1つ獲得するためにかかった費用のことで、「総費用÷コンバージョン数」の計算式で算出することができます。
仮にアライブの場合で例えると、ホームページ上の「フォームからのお問い合わせ」や「資料請求」がコンバージョンに当たるので、仮にWeb広告費を月50万円をかけて、20件のコンバージョンを獲得した場合、CPAは2.5万円という計算になります。
ここまで読んで「やっぱり安いCPAでリード客を獲得できたほうがいいに決まってるよね?」そう思う方もいるかもしれません。
もちろんCPAは低いほうが良いです。その一方でCPAを下げることばかりに拘ってしまうとデメリットも大きいのです。ここからはその理由を解説していきます。
CPAばかりに拘ることが危険な理由
実際のところ、今でもCPA第一主義のマーケターは一定数存在します。
ですがCPAはあくまで「リード客1人を獲得するためにかかった費用」で、購買プロセスの通過点にある1つの指標に過ぎません。
CPAを下げることだけに注目することが危険な主な理由は、CPAを見ても、そのリード客がどれだけお金を使ってくれたのかまでは把握できないからです。
BtoBとBtoCの各ビジネスモデルで例を挙げて解説します。
BtoCビジネスの例
お試し1つ990円の健康サプリ商品を、Web広告を使って販売したとしましょう。
仮に1購入あたりのCPAが500円で、その990円を購入してもらったとしても、その後本商品の購入や定期購入に引き上がらなければ、投資した広告費に対して一人あたり490円しか利益がでません。仕入原価を加味すればもっと利益は少なくなるはずです。
CPA500円で200名の顧客を獲得できたけど一人あたり990円しか使ってくれない場合と、CPAは10,000円かかり、顧客も10名しか獲得できなかったけど、その顧客がみんな最終的に50,000円使ってくれた場合とでは、同じ投資額でどちらのほうが成果があったと言えるでしょうか?もちろん後者ですよね。
BtoBビジネスの例
仮に月50万円の広告費を使って、CPA5,000円で100人のリード客を獲得できたとします。
1件成約した場合に立つ売上が10万円だった場合、少なくとも5人以上成約しないと広告費を回収できないですよね。製造原価や人件費なども鑑みると、もっと多くの成約数が必要になる可能性もあります。
もしCPAを2,500円まで下げて、リード客を倍の200人まで増やせたとしても、成約率が2%しかなければ50万円の投資額に対して40万円しか売上がないので、赤字になってしまいます。
つまり、Web広告に使うお金は「投資」であり、投資回収性をしっかり見なければ、いくらCPAを見てもあまり意味がないのです。
見るべき指標はROI(投資対効果)
Web広告を運用する上でCPAより重視すべき指標はROIです。
ROIとは「Return On Investment」の略称。
「投資対効果」とも言われ、投資額に対してどれだけ利益を上げたのかを測る指標のことを指します。
このROIが高ければ高いほど、その投資がうまくいっていると言えます。
ROIの計算式は以下のようになります。
ROI(投資対効果)= (売上額ー売上原価ー投資額)÷投資額
投資により得た「利益」を投資額で割った値と考えると分かりやすいと思います。
投資額に対して、ROIがマイナスになるとその投資額より利益が少ないということなので、そのビジネスは「赤字」になります。
物販などのBtoCビジネスでは、Web広告をきっかけに会員登録をしてくれた顧客の、最終的にどれだけお金を使ってくれたかを示す「LTV(Life time Value/顧客生涯価値)*」に対して投資額を割り返し、ROIを算出することが一般的です。
BtoBビジネスでも、サブスクリプションなどの定期サービスの場合は、平均継続期間などから算出したLTVを軸にROIを算出することが多いですし、一部の製造業界や住宅業界などリピート購入があまり期待できないビジネスでは、WEB広告をきっかけに生まれた1回の購入額からROIを算出するケースが多いと思います。
WEB広告の運用においてはCPAも注視しながら、獲得した顧客のLTVやリードの成約率をどのようにして上げていくかを考え、同時にROIの改善を図ることが大変重要なのです。
*LTV(Life time Value/顧客生涯価値)=1人の顧客が企業との取引期間中に、その企業にもたらす利益額のこと。
CPA目標はどう設定するのが適切なのか?
これまでCPAばかりに着目してきた人は、これからはどのようにCPA目標を立てれば良いのでしょうか?
結論から言うと、CPA目標はROIが「1」を超える範囲内に収めることが重要です。
BtoBビジネスのWEB広告運用例からCPA目標を算出してみましょう。
例えば産業用機械を売りたい会社が、WEB広告で販促をかけたとします。
その機械の販売価格は1台60万円、1台売れると30万円の利益がでます。(利益率50%)
そしてリード客20人に対して1人が成約する想定です。(成約率5%)
毎月30万円の広告予算を割くとしたら、リード獲得のための目標CPAはいくらが適切でしょうか?
- 月の広告費:30万円/月
- 1台あたりの販売粗利益:30万円
- 成約率:5%
この場合、適切な目標CPAは15,000円未満です。
ROIが1を超えるには毎月30万円の広告費に対して30万円以上の利益を出す必要があります。ですので毎月1台以上は売らなければいけません。
成約率5%と仮定しているので、1台売るためには20人のリード客が必要となります。
30万円で20人のリード客を獲得した場合、1人あたりのCPAは15,000円になりますね。
CPA15,000円だと利益に対するコストが1:1になってしまうので、14,999円以下のCPAであればROIが1を超えます。無理に10,000円や5,000円のCPAを目指す必要はありません。
前談のとおり、ここでCPAだけを下げようとすると、成約に繋がらない質の悪いリード客ばかりが集まってくるリスクもあるので、いくら安いCPAでリード客を獲得しても最終的にROIが悪化してしまうリスクが高くなります。
ROIから逆算して目安のCPAを設定することが、WEB広告を実益に繋げるために大切な考え方となります。
ROIを上げるためにやるべきこと
WEB広告を効果的に運用するために重要な指標「ROI」。
我々マーケターはこのROIをどのように改善していくべきなのかを解説します。
ROIを上げるのはWEB広告単体ではなく、WEB広告で獲得したリードや初回客を育成するマーケティングの仕組みです。
BtoCビジネスの場合
リピート購入を促す顧客育成によるLTVの改善
化粧品や健康食品のような単品通販モデルでは、初回のお試し商品を無料で配布したり、激安で販売したりして、顧客リストを大きくしていきます。
その後、メルマガなどでリピート購入を促進させるアプローチを定期的に行い、本商品への引き上げ、定期購入への引き上げと段階的に優良顧客へと育てていきます。1顧客あたりのLTVを引き上げることでROIも連動して改善していきます。
まとめ買いによるクロスセルや、上位商品を薦めるアップセル戦略
Amazonや楽天などのECサイトを使っていると、2個セットのほうが単品より安く買えたり、「一緒にいかがですか?」「他の人はこんな商品も見ています」と言ったように別の関連商品をレコメンドされたりした経験があると思います。
これは1回あたりの購入単価をアップさせる戦略の1つで、売り手側は1回の買い物でたくさんお金を使ってくれた方が早く投資額に対する回収ができます。
Web広告をきっかけに1つのフックになる商品を見せておいて、まとめ買いや上位商品に誘導し購入単価を上げる施策もROIの向上には有効です。
BtoBビジネスの場合
検討期間中のリード客をしっかりとフォローして成約率を上げる
BtoBビジネスの場合は、問い合わせや資料請求をした後に、複数の企業から見積を取得し、社内で比較検討・稟議する時間があります。そのため検討のリード客をフォローアップし、競合がいる中でも自社の商品を選んでもらうよう、営業担当者か、マーケティングオートメーション(MA)の活用などで、定期的に相手とコンタクトを取り合い成約率をアップさせます。
リード客の成約率が上がることでROIも上がっていくので、リード客になってくれた後の動きが重要になります。
まとめ
今回は、Web広告でCPAだけを下げようとすることの危険性について解説していきましたがいかがだったでしょうか?
アライブは、現在毎月50社以上の企業様に対してWEB広告運用の代行を承っており、もちろんCPAだけではなくROIの改善も加味したマーケティング戦略を採用しております。
また、ROIの改善施策では顧客育成や、LTVの改善、リード顧客への効率的なフォローアップを管理、自動化できるマーケティングオートメーションツール(MA)やSalesforce(CRM)の導入支援も行っております。
WEB広告単体のみの施策しかやっておらず、あまりマーケティングの成果を実感できていない企業様にも、弊社は多角的なアプローチにより、実際に売上につながる戦略をご提案することが可能です。
Web広告やマーケティング全般でお困りの際はぜひ一度アライブにご相談いただけると幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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