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真の問題解決へ導くクリティカルシンキングとは? 実践法や鍛え方も

2024/06/26 | 経営全般

日々の業務で度々同じような問題に直面し、なかなか根本的な解決ができない。

そんな経験はありませんか?

過去の経験や知識だけに頼り切って思考が凝り固まってしまうと、物事の本質を見失い新たな解決策や意思決定にたどり着くことが難しくなってしまいます。

 

それを解決するのがクリティカルシンキングという思考法。

 

クリティカルシンキングを身につけると、多角的な視点で問題を分析し、より効果的な解決策を見つけられるようになることから2000年代以降のビジネスシーンで重視されてきました。

そこで本記事では、クリティカルシンキングの基本的な実践方法から、鍛え方まで分かりやすく解説していきます。

最後までお読みいただくと柔軟な思考が身につき、直面した課題を根本的に解決しやすくなります。ぜひご覧ください。

 

クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングは批判的思考とも呼ばれ、思考に客観的な視点を取り入れ物事の本質を捉えることで、論理的に理解するための方法です。

例えば「この市場調査の目的は本当に正しいのか?」とか分析により得られた考察は作成者の主観でバイアスがかかっていないか?」など、前提から疑い熟慮していきます。

根拠や前提が正しいのかを疑うことで、物事を俯瞰的に捉えることができるため、思い込みを排除した多角的な気づきを得やすくなります。

 

クリティカルシンキングが重視される理由

なぜクリティカルシンキングが、現代のビジネスシーンにおいて重視されているのか?

その3つの理由を掘り下げてみましょう。

 

1.物事の核心を理解できる

クリティカルシンキングは物事の前提・根拠から思考していくので、より核心をついた深い理解を得られるようになります。

例えば、海外など新たな市場への参入を検討する際、その市場の経済状況や歴史、文化的背景・慣習を広く・深く理解することで、より効果的な戦略を立案でき、成功率が高まるでしょう。

「そもそも」の論点から深く考慮することにより、ビジネスで重要な「現状把握と目的の定義」を高い解像度で行えるようになり、物事の本質を捉えた新たなアイデアが生まれやすくもなります。

 

2. 質の高い問題解決ができる

クリティカルシンキングができると、多面的な思考が身につき、物事の矛盾や漏れに気づきやすくなります。

例えば、製品の品質に問題が発生した際に、管理者が主観で人為的なミスだと判断して社内教育を徹底したとしましょう。

しかし、そもそも人為的なミスが発生しないようにシステムや体制作りを見直したほうがよいこともあります。

このように根本原因を特定し再発防止策を講じることは、問題を一時的に解決するだけでなく、長期的な改善に繋がります。

 

3. 意思決定時の潜在リスクを回避できる

またクリティカルシンキングにより、意思決定時における潜在的なリスクに気づき回避できるようになります。

実はビジネスの世界では、事実と主観を混同してしまうことがよくあります。

過去の成功体験などにより、事実と主観の境目が見えなくなることをバイアス(思い込み)といい、これは重要な意思決定の場でミスリードを招くリスクがあります。

クリティカルシンキングを身につけることで、自分の考えが客観的事実に基づいているかを冷静に振り返ることができるようになるため、判断を誤るリスクを事前に回避できます。

物事の矛盾や漏れに気づけるようになることで、質の高い意思決定ができることが、ビジネスシーンで重視される理由の1つです。

 

バイアス(思い込み)が業務にもたらすリスクについては別の記事で詳しく解説しているので、ぜひ合わせてお読みください。

>> 気づいていますか?無意識のバイアスが業務にもたらすリスクと対処法 

 

 

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い

クリティカルシンキングとよく混同される言葉に「ロジカルシンキング」があります。

2つの言葉の違いについて解説します。

クリティカルシンキングは物事の前提を疑い、客観的な視点で分析することで、本質を見極めるための思考法です。

一方で、ロジカルシンキングは論理の整合性を重視し、ある事柄の要素を細かく分けて、因果関係や具体→抽象・抽象→具体などの情報構造を明確にして効率的に結論を導く思考法です。

ロジカルシンキングができると、論理破綻することなく一貫性のある戦略を検討できます。

 

二つの思考法の違い

ロジカルシンキングは、情報を整理し筋道をたてて考え、論理が一貫していることを重視しますが、この方法では個人の思考のクセや偏りを考慮しません。

他方でクリティカルシンキングは個人の思考のクセや偏りを考慮し、主観的な見解やバイアスに基づいていないか考えます。また、物事の前提がそもそも正しいのか疑うことで、多角的な視点で思考することも特徴の1つです。

このように、ロジカルシンキングは、論理的な整合性は取れていても、元となる情報や考え方に誤りやバイアスがかかっている可能性があるので、問題解決に繋がらない結果を導いてしまうかもしれません。

一方で、クリティカルシンキングは、より核心にせまる根本的な問題解決や意思決定が可能となりますが、思考に道筋を与えることはできません。

そのためロジカルシンキングとクリティカルシンキングそれぞれの性質を理解した上で、上手に使い分けることが思考力を高めるカギとなります。

 

 

クリティカルシンキング 5つの実践法

クリティカルシンキングを身につけるための基本と実践方法を5つ紹介します。

 

1. 前提を疑う

見聞きした情報の前提を疑い、曖昧な部分をできるだけ具体化することを意識しましょう。

例えば、ある商品の売上を回復させるための施策について考えてみましょう。

売上回復という目的に対して、期間限定割引キャンペーンを実施することになったとします。

ですが「割引キャンペーン」がこのケースにおける最適な手段なのでしょうか?

実は製品の品質に問題があったり、強みの伝え方が適切でなかったりしたのが原因なのかもしれません。そうであれば割引キャンペーンだけを実施しても売上回復にはつながらないでしょう。

なぜ「割引」キャンペーンを実施する必要があるのか?現状課題や目的に沿った、合理的な施策を検討する必要があります。

施策検討の際に使用した元データに誤りはないか、「割引」施策が本質的な課題解決につながるのか、他の手段と期待効果の比較はしたのか?など、幅広い視点で考えてみてください。

 

物事の状態や意思決定の根拠に対して「本当に正しいのか?」を追求することで、クリティカルシンキングが磨かれていきます。

 

2. 目的を常に意識する

何のために考えるのか、考えた結果どうしたいのか、その目的を明確にすることも大切です。目的が明確でないと、思考の方向性が定まらず、効果的な結論に導くのが難しくなります。

例えば、コスト削減の対策を考える場合、何のために「コストを削減する」のか、「コストを削減した結果どうしたいのか」考えることが重要です。

経営者の多くは、「利益を最大化するためにコストを削減したい」と思っているでしょう。本来の目的を意識しなければ、やみくもにコストを抑えて、製品の品質が低下し、顧客満足度が下がり、最終的には売上や利益が減るという逆効果になることがあります。

常に「目的」にフォーカスして思考することで物事を俯瞰視できるようになるため、ただ「コストを削減する」という目先の目標だけでなく、効率的な運用や品質維持を意識した、高い視座での思考が可能となります。

 

3. 常に「なぜ?」を問い続ける

結論に至っても「なぜ」を繰り返し問い続けることが重要です。これにより、表面的な問題だけでなく、根本的な課題を明らかにできます。

例えば、集客強化を目的としてWEB広告を検討するシーン。

「なぜ集客強化が必要なのか?」という問いに対しておそらくあなたは「売上が足りないから」と回答するでしょう。

さらに「なぜ」を問い続けると「なぜなら客単価は高いけれど客数が少ないから」→「なぜならWEBサイトに訪問する人が少ないから」という、より根深い原因にたどり着きます。

このように、「なぜ」を繰り返すことで、本質の課題が「WEBサイトに訪問者を増やす必要がある」ことだとわかります。

 

4. 思考のバイアスを認識する

人にはそれぞれ思考のクセや偏りがあることを理解し、それを意識して思考を進めることが重要です。

自分の経験や考え方だけが全てではないことをしっかりと認識し、意思決定のための判断要素をできるだけ広げる必要があります。

例えば、過去の成功体験だけに頼って安易に意思決定を行うのではなく、他の部門の意見や外部専門家の視点を取り入れるなど複数の視点から期待効果やリスクを評価しましょう。

他にも、外部のデータなどを活用して客観的な根拠を踏まえることで、見落としていたリスクが明らかになる場合があります。

リスク予測の精度が向上し、より客観的で堅実な意思決定が可能となります。

 

5. 正しい情報を収集する

正しい情報や深い知識を得て、経験を積み視座を上げることが、意思決定の失敗を避けることに繋がります。

現状分析の際に、根拠となるデータが間違っているとビジネス戦略の基盤が崩れてしまうので、信頼性の高いデータソースを用いて正確な情報収集をしましょう。

情報の正確性はクリティカルシンキングでもロジカルシンキングでも重要です。

事実と意見を区別し、客観的で事実に基づいた正しいデータを用いて考えるようにしましょう。

 

 

クリティカルシンキングの鍛え方 4選

クリティカルシンキングは無意識にある先入観の精査からスタートするので、自然にできるようにするには意識して鍛える必要があります。

ここでは効果の高い鍛え方を4つご紹介します。

 

1:思考を深堀りする習慣をつける

日常的に自分の考えに疑問を持ち、深く掘り下げる習慣をつけることが重要です。

普段何気なくやっている日常業務でも目的や理由を自問してみましょう。

このときオススメなのが導き出した結論に対して「So What / So Why(だから何?/それはなぜ?)」という問いを繰り返すことです。

この問いを習慣づけることで、得た情報を安易に鵜呑みにしない深い思考が身についていきます。

 

2:客観的視点で考える

あえて自分の意見と反対の意見を考えることで、客観的な視点を養えます。

他人からフィードバックをもらうのも効果的です。

例えば、企画書の作成途中でも、他人からのフィードバックを集めて、伝わりづらい箇所や根拠に乏しい箇所などの指摘を修正時に反映させるようにします。これにより観点や視野が広がり、思考力が向上していきます。

また、この経験が積み重なることで、事前に自分の提案に対する反対意見を想定したアウトプットができるので、外部からの質問や指摘に対してもしっかりと説明できるようになります。

 

3:多様な考え方を習得する

偏りのない考えをするために、多様な考え方に触れることも効果的です。

書籍で学ぶことももちろん有効ですが、異業界や異職種の人たちと関わり仕事感などを聞くことも、自分と違う価値観や、思考を学ぶ上でよい機会になるので非常におすすめです。

このような体験を通して、柔軟な思考を身につけていきましょう。

 

4:研修を実施する

クリティカルシンキングを身につけるためのセミナーや研修を受けることで、基本的な思考方法を学べます。ワークショップ形式の研修であれば、実践に近い体験を得られるはずです。

しかし研修はあくまで思考方法の基本しか学べない点に注意しましょう。

重要なのは、現場で活きる思考を身につけること。実際の業務の中で経験を積み重ねて習慣化することが肝要です。

 

 

まとめ

今回はビジネス上の問題解決の際に役立つクリティカルシンキングについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

問題解決能力を高め、質の高い意思決定を行うためには、日常的にクリティカルシンキングを実践し、鍛えていくことが重要です。バイアスを排除し客観的かつ論理的に物事を捉えることで、ビジネスの成功に繋がります。

アライブはWebサイト制作やマーケティングの案件をお受けする際にも、クリティカル・シンキングを取り入れ、本質的な課題にアプローチした戦略を立てています。

現在の事業戦略で売上が伸び悩んでいたり、新たなマーケティング施策を検討したりしている企業様はぜひご相談ください。

アライブでは経験豊富なマーケティングチームが、あらゆる角度から課題と解決策を分析・検討し、売上につなげる新たな視点からのアドバイスをさせていただきます。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。 

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