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マーケティングの基本用語12選|はじめに理解しておくべき重要指標とは?
深刻な人材不足が続く日本のビジネス環境。
社員数の少ない中小企業では、既存の営業スタッフやWeb担当者がマーケティング業務を掛け持つケースも増えてきています。
しかし、新たにマーケティングに関わり始めて「最初は何から覚えればいいの?」と悩む方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、マーケティングに関する基本的な考え方や、まず始めに理解しておきたい12個の基本用語・重要指標をわかりやすく解説します。
最後までお読みいただくことで、初心者の方でもマーケティングの基本的な概念や用語を理解し、周囲の専門家たちと同じ目線で議論に臨めるようになります。ぜひご覧ください。
マーケティングの基本の考え方
まず始めに、マーケティング初心者の方に向けて、マーケティングの基本的な考え方についてお話します。
マーケティングとは、一言で表すと「顧客から商品やサービスを求めてもらう仕組みをつくること」です。
その仕組みづくりにおいて重視すべきが「精緻な現状把握と、明確な目標設定」。
現状とゴールの差を埋めるため、目標達成に向けた施策を計画し実行します。
この際、データ分析をしながら目標達成に向けた課題抽出と、改善策を繰り返していく必要があります。
これらのプロセスを支えるために不可欠なのが「基本的なマーケティング用語を理解すること」。
マーケティングの世界では多くの専門用語が使われており、ビジネスの場でもいつの間にか耳にするようになった言葉も多いと思いますし、時代の流れによって新しい専門用語も次々と誕生します。
だからこそ、マーケティングシーンでよく使われている基本用語を正しく理解することが、マーケティングの知識を深め、一人前のマーケターになるためのはじめの一歩となるのです。
事業の目標設定と評価でよく使う指標
まずは現状把握や目標設定に関するマーケティング用語を解説します。
これらの指標では、目標達成に向けた重要な情報を得ることができ、戦略や戦術の設定や改善に活用できます。
1. KGIとKPI
KGIとKPIは、どちらも達成すべき目標を定義するための指標です。
KGI(Key Goal lndicator)は重要目標達成指標のことで、わかりやすくいうとビジネスの最終目標を定量的に定めたものです。具体的には「売上高」や「利益目標」、「利益率」などがKGIとしてよく設定されます。
KPI(Key Performance Indicator)は重要業績評価指標のことを指します。KGIを達成するために必要な中間目標のことで、複数のKPIを指定することが一般的です。具体的には「客単価」や「原価率」、「販管費」などを対象とするケースがあります。
例えば、KGIを「年間利益を30%増加させる」とします。
これを達成するために「新製品の販売数量を50%増やす」や「既存顧客のリピート購買率を10%上げる」、「物流コストを20%削減する」などがKPIとして設定されます。
これにより企業は目標の達成度合を定量的に評価し、適切な課題抽出と戦略の調整をできます。
2. LTV
LTV(Life Time Value)とは、顧客生涯価値を指し、顧客が生涯を通じて企業にもたらす総利益を示す指標です。顧客の価値を把握し、長期的な利益を最大化するために活用されます。
LTVの計算式は以下のとおりです。
LTV = 平均購入単価 × 利益率 × 平均購買頻度 × 平均継続期間
LTVの例を挙げてみましょう。
平均購入単価が10,000円で利益率が20%、購入頻度が月1回、継続期間が12ヶ月とした場合、1顧客あたりのLTVは24,000円という計算になります。
LTV = 10,000円 × 20% × 月1回 × 12ヶ月 = 24,000円
LTVは1人の顧客が企業にもたらしてくれる本質的な価値を示すもので、マーケティングや集客施策の損益分岐点を明確にしてくれる重要な指標とも言えます。
プロモーション費用を獲得できた顧客数で割ったとき、1顧客あたりの獲得コストがLTVを超えると赤字であり、下回れば黒字であるという判断ができます。
なお、LTVの算出方法は企業により多少異なるルールが敷かれているケースがあります。時に利益ベースではなく、売上ベースでLTVが算出されるケースもあるので注意しましょう。
3. CPO
CPO(Cost Per Order)とは、1件の注文を獲得するためにかかった費用を示す指標です。
以下の計算式でCPOを算出することができます。
CPO = 販促費(広告費)÷ 注文数
例えば、100万円の広告費をかけて、新規注文を200件獲得した場合、CPOは次のように計算できます。
CPO = 100万円 ÷ 200件 = 5,000円
CPOが低ければ、より少ない販促費で注文を獲得できていることを示し、事業の収益性を高めることができます。
CPOは1注文あたりにかかるコストと、1注文で得られる利益を比較し、販促費用の損益分岐点を見極めるために活用できる指標です。
インターネット広告のシーンでよく使われる用語で「CPA」という言葉がありますが、CPAとCPOの違いは後半のセクションで詳しく解説します。
アクセス解析でよく使う指標
デジタルマーケティングの世界ではWebサイトへの訪問者を増やす施策がよく行われています。
目標に基づいてさまざまな施策を実行した後で、Webサイトのアクセス解析を行い目標達成に向けて戦略や戦術の最適化を図ります。
その際に必要となる用語を順に解説していきます。
4. ユーザー数・セッション数・表示回数
ユーザー数
Webサイトを訪問した固有の人数のことを指します。
セッション数
特定の期間内に1ユーザーがWebサイトを訪問した回数。ユーザーがWebサイトを訪問してから離脱するまでの一連の行動を1セッションとしてカウントします。
もし1人のユーザーが特定のWebサイトを3回訪問すれば、セッション数は3となります。
表示回数
ユーザーが閲覧したWebサイトのページ数。同じページを複数回閲覧すれば、その回数も追加されます。上の画像のように1ユーザーが1セッションの中で3つのWebページを訪問した場合は表示回数は3とカウントされます。
また表示回数はページビューと表現されることもあります。
上記のようなユーザー数やセッション数、表示回数を理解することで、ユーザーの行動パターンや関心のあるWebサイトとWebページを把握できます。
より興味を惹きつけるコンテンツを提供したり、より良いUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供したりするのに役立ちます。
5. エンゲージメント
エンゲージメントとは本来、「婚約」や「約束」、「契約」、「誓約」などの意味を持つ言葉です。
マーケティングにおけるエンゲージメントは、ユーザーがブランドやコンテンツにどれだけ関わりを持っているか示し、ユーザーとブランドの強い繋がりを意味します。
例えばSNS上でのエンゲージメントは、詳細のクリックやいいね、シェア(リポスト)、プロフィールの閲覧など、何かしらのアクション全体を指します。
なお、ユーザー同士のやり取りや相互アクションはインタラクションと呼ばれます。
そういった投稿のエンゲージメントを理解することで、ユーザーが関心を持ちやすい投稿日時や投稿内容を分析できます。
一方で、GA4(Googleアナリティクス)では、Webサイト上でユーザーが以下の条件に該当する場合、エンゲージメントとしてカウントされます。
- ユーザーが10秒以上セッションを継続した場合
- コンバージョンイベントが発生した場合
- 2ページ以上閲覧した場合
コンテンツの魅力やユーザーの興味関心度を「エンゲージメント」という指標を活用し定量的に測定することで、より良い関係構築を築き上げるための改善施策の策定に役立てることができます。
インターネット広告でよく使う指標
最後に、デジタルマーケティングでよく使用される指標と、アクセス解析と密接に関連しているインターネット広告の指標について解説します。
これを理解することで、広告の効果を分析し自社の広告戦略を客観的に評価できるようになり、施策を具体化できます。
6. CTR(クリック率)
CTRとは、Click Through Rateの略称で、広告の表示回数に対するクリックされた回数(クリック数)の割合を示す指標です。
計算式は以下で表されます。
CTR = (クリック数 ÷ 表示回数) × 100
この割合は、広告の効果やユーザーの関心を評価する際に重要になります。
例えば、ある広告が1,000回表示され、その広告のクリック数が50回の場合、CTRは次のように計算できます。
CTR =(50 ÷ 1,000)× 100 = 5%
この場合、広告の表示回数に対するクリック数の割合、つまりCTR(クリック率)は5%となります。
CTRを理解することで広告の訴求力を評価し、効果的な戦術を立てたり、改善点を洗い出したりして、画像のデザインや広告テキストを最適化することに役立ちます。
7. CPC(クリック単価)
CPCとは、Cost Per Click=クリック単価をの略称です。
ユーザーが広告をクリックした際に、広告主が媒体に支払う1クリックあたりの費用を示しています。
CPCは以下の計算式で求められます。
CPC(クリック単価) = 広告費 ÷ クリック数
こちらも例を挙げて解説します。
ある広告に100万円の広告費を支払い、その広告が5,000回クリックされた場合、CPCは次のように計算できます。
CPC = 100万円 ÷ 5,000回 = 200円
この場合、広告主が媒体に支払う1クリックあたりの金額は200円となります。
一般的にCPCが低ければ、広告費を抑えつつ多くのユーザーにリーチできるため、費用対効果が良好だと考えられていますが、必ずしもメリットばかりとは限りません。
CPCを安く抑えることで、本来の狙ったターゲットとは異なる層に広告が配信されたり、コンバージョンにつながらないクリックが増えたりするることもあるので、闇雲にCPCを下げるのではなく、次で説明するコンバージョン獲得とのバランスを鑑みて調整する必要があります。
8. CV(コンバージョン)
CVはConversionの略称で一般的に「CV(シーブイ)」や「コンバージョン」と呼ばれます。
コンバージョンは企業や個人が設定した行動目標を、ユーザーが達成することを指します。
具体的には「商品購入」や「会員登録」、「お問い合わせ」「資料請求」「メルマガの購読」「無料トライアルの申込み」などが挙げられます。
デジタルマーケティングでは、コンバージョンの設定が非常に重要となります。
コンバージョンとその獲得目標を正しく設定することにより、施策を適切に評価しあるべき方向に導くことができます。
9. CVR(コンバージョン率)
CVRはconversion rateの略で、CV率やコンバージョン率とも呼ばれます。
広告のクリック数に対して、企業や個人が設定した行動目標をユーザーが達成した割合を示します。
計算式は以下のように表されます。
CVR = コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100
例えば、コンバージョンを「商品の購入」と設定します。広告のクリック数が100で、商品が5回購入された場合、CVRは次のように計算できます。
CVR = 5回(コンバージョン数) ÷ 100回(クリック数) × 100 = 5%
コンバージョンを達成したユーザーの割合は5%となります。
ただ、分母はクリック数の他に、GA4(Googleアナリティクス)では「ユーザー数」とする場合もあるので注意が必要です。
10. ROAS
ROASは「Return on Advertising Spend(広告費用対効果)」の略語で、広告費に対する収益率を示す指標です。
具体的には、広告によって得られた売上を広告費で割ったものです。
ROASは以下の計算式で算出します。
ROAS = 広告の売上金額 ÷ 広告費 × 100
例えば、ある企業が100万円の広告費をかけて、500万円の売上を得た場合、ROASは以下のように計算できます。
ROAS = 500万円 ÷ 100万円 × 100 = 500%
この場合、ROASは500%となり、この企業は費やした広告費用に対して5倍の売上を得たことを示しています。
ROASは広告の効果を収益面から評価するために用いられており、ROASが高いと費用対効果が高いと判断できます。
11. ROI
ROIは「Return on Investment(投資対効果)」の略語で、投資に対する利益率を示す指標です。
具体的には投資によって得られた利益を、投資額で割ったものです。
ROIの計算式は以下の通りです。
ROI = (売上額 -(売上原価 + 販管費等)- 投資額)÷ 投資額 × 100
例えば、ある企業が100万円を投資して250万円を売り上げ、そのうち売上原価や販売管理費などのコストが100万円だった場合、ROIは以下のように計算します。
ROI = (250万円(売上)– コスト100万円 – 投資額100万円)÷ 100万円(投資額) × 100 = 50%
この場合、ROIは50%となります。
つまり、この企業は100万円の投資に対して50%の利益しか得られなかったことを示しています。
ROIが100%を超えると投資額以上の利益が出ていることを意味し、高ければ高いほど効果的に投資が行われていると判断できます。
ROASとROIはよく混同されますが、二つは全く異なる指標です。
二つ指標の違いや、ROIの具体的な改善方法を知りたい方は以下の記事も合わせてご覧ください。
12. CPA
CPAとはCost per AcquisitionまたはActionの略称で、1件ごとのコンバージョン獲得にかかった平均費用を表す指標です。
CPAの計算は、全体の広告費用をコンバージョン数で割ることで求めることができ、式で表すと以下のようになります。
CPA = 全体の広告費用 ÷ コンバージョン数
例を挙げてみましょう。
10,000円の広告費を使って5件の問い合わせを獲得した場合、CPAはつぎの計算式で表します。
CPA = 10,000円 ÷ 5件 = 2,000円
CPAは2,000円となり、1人の購入顧客を獲得するために平均2,000円の広告費がかかっていることを示します。
この計算により、特定のWeb広告がどれだけ効果的であるかを判断することができます。
対してCPO(Cost Per Order)は、1件の注文を獲得するためにかかった費用を示す指標で、CPAのようにWeb広告単体の評価よりも事業を通じて実施した販売促進施策全体の総合評価に用いられることが多くあります。
CPAについて詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてお読みください。
>> Web広告の目標CPAはいくらが最適?決め方や計算方法を詳しく解説
まとめ
今回はマーケティングに関わったらまず理解しておきたい基本用語を、特に重要な12個の指標に絞って解説しました。
冒頭でもお伝えしたように、マーケターとして活躍するには基本的な重要用語の理解が必要不可欠です。
アライブはWebサイト制作をはじめ、広告運用、アクセス解析、CRMやMAの導入サポート、そして販促コンサルティングサービスなど幅広く提供していますが、お客様の中にはマーケティングの知見が少ないお客様も少なからずいらっしゃいます。
アライブはこれまで積み上げてきた経験や実績に基づいて、マーケティング初心者の方にもわかりやすい言葉で、成果が出るまでじっくりと伴走支援させていただいております。
「マーケティング施策を手探りで行っているが目標達成できず悩んでいる。」
「マーケティングの重要さには気づいたが、具体的な実行方法がわからない。」
もしそういった悩みをお抱えの企業様がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にアライブまでご相談ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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