マーケティングの基本用語12選|はじめに理解しておくべき重要指標とは?
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PEST分析とは?事業に影響する外部要因を評価する具体的なやり方
円安、インフレ、増税、訪日客の急増、生成AIの急速な進化、諸外国との国際関係、戦争など……。
昨今はビジネスに直接影響を及ぼしかねない外部環境の変化が一層激しくなっています。
この外部環境に注目することは、ビジネスを行なう上でとても重要です。
ですが、一言で外部環境と言っても具体的に何を、どのように注視しビジネスへの影響度合いを評価すべきか分かりにくいこともあるかと思います。
さらには経済や政治など重要だと頭では分かっていても、理解しにくい分野もありますよね。
そこで今回は、自社の事業に影響を及ぼす外部要因を見つけ出すための「PEST分析」について紹介します。
具体的には以下の流れで説明していきます。
- PEST分析とは
- PEST分析のやり方
- PEST分析の具体例
外部環境が目まぐるしく変化する今だからこそ「PEST分析」の重要性がより高まっていると感じています。
この記事を最後までご覧いただくことで、企業に影響を与える外部要因をマクロ的視点で特定し、今後の時代の流れを予測できるようになります。それにより時代に沿った商品やサービスを展開し、将来の顧客獲得に繋がる戦略を立てられるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
PEST分析とは
PEST分析とは企業に及ぼす影響を「Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)」の4つの大きなカテゴリーに分類し、外部要因をマクロな視点で分析するフレームワークです。
マーケティング分野における第一人者である、フィリップ・コトラー氏が提唱しました。
PEST分析の各要素
まずはPEST分析の各要素を1つずつ、例を交えながら説明していきます。
Politics(政治的要因)
法律や政権交代、増税、減税、デモなど政治的な要因を表します。
例えば、数年前に起きたイギリスのEU脱退や、今ロシアやイスラエルなどで起きている戦争などはPolitics(政治的要因)に分類されます。
Economy(経済的要因)
景気や物価、為替、金利、GDP、不況の際の失業率など経済的な要因を示します。
最近ニュースでよく流れている日本の円安問題や政策金利の話題なども当てはまります。
Society(社会的要因)
人口動向や少子高齢化、世論、流行、教育水準など社会的な要因を表します。例えば、目下日本が抱えている急速な少子高齢化の問題はこれに当たります。
Technology(技術的要因)
インフラや技術開発の投資、ITの活用、ハイプサイクルなど技術的な要因を示します。
Chat GDPなど生成AIの急速な進化や、デジタル通貨の話題なども1つの例として当てはまります。
PEST分析を行う3つの目的
PEST分析を行う目的を端的に表すと以下の3つで説明できます。
- 政治的、経済的、社会的、技術的な外部環境変化が、企業に及ぼす影響についてマクロな視点で理解し評価すること
- 市場の機会や脅威を早急に認識し、機会であればビジネスチャンスをいち早く掴み、脅威であればリスクヘッジの対応をするなど、適切な対応ができるようになること
- マクロな視点から得られた分析結果を、新たな戦略立案や、海外進出などの意思決定に役立てること
PEST分析を行うメリットとデメリット
PEST分析が持つメリットとデメリットもそれぞれ知っておきましょう。
メリット
俯瞰的な視点で分析できる
企業に影響を及ぼす外部要因の各要素を包括的に分析するため、マーケティング初心者でも自社が置かれている状態を俯瞰的に見つめ直すことができます。
競合優位性の獲得
要因の変化を迅速にキャッチアップすることで、競合よりも早く順応でき、ビジネスにおいて大きくリードできます。
長期的な視点を持って分析できる
外部要因が未来に及ぼす影響をイメージする力がつくため、目先の短期的な利益にとらわれず、長期的な動向についての分析としても活用可能です。
デメリット
時間と手間がかかる
市場の前提条件をある程度知っている必要があるため、情報収集と要因の洗い出しに時間とリソースがかかります。
内部要因についてわからない
外部要因の分析に特化しているため、内部要因分析が不足しがちです。市場分析は、外部環境だけでなく内部環境も合わせて分析することが重要なので、SWOT分析や、3C分析と並行して実施しましょう。
※SWOT分析、3C分析は別記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
>> SWOT分析とは?メリットや実践方法をわかりやすく解説
>> 3C分析とは? 目的や具体的なやり方をわかりやすく解説
PEST分析のやり方
PEST分析は「目的の明確化→要因の情報収集→要因分析→戦略立案」の手順で行います。
分析手順
①分析の目的とゴールの明確化
まずは分析の目的とゴールを言語化しましょう。「何のために分析するのか」や、「達成すべき具体的なゴールが明確になっていること」で、時間とリソースのかかるPEST分析をスムーズに実施できます。
分析中に軸がブレたと感じた際には、目的とゴールを再度確認しましょう。
②要因の情報収集
- Politics(政治)
- Economy(経済)
- Society(社会)
- Technology(技術)
この4つのカテゴリーごとに情報を収集します。ニュース記事やテレビ、政府が公開している公式の調査レポート、業界に関する情報サイトなどの信頼性の高いデータを集めることが重要です。
日本のメディアは情報が遅いことがあるので、海外のインターネットメディアなども頻繁にチェックすることをオススメします。今はGoogle翻訳やDeepLなど翻訳ツールの精度も上がっているので、海外メディアもさほど違和感なく読むことができます。
③要因の分析
収集した情報をもとに、自社に及ぼす影響について詳細を調べます。どの要因がどれほどの影響力をもっているのか、また各要因に対しての優先順位を判別していきます。
④戦略立案
分析結果をもとに具体的な方針を決めます。PEST分析で得た外部要因と、「SWOT分析」「3C分析」などで得た内部要因を組み合わせて、目的とゴールが達成可能な戦略を作りましょう。
分析の注意点
分析の際に注意すべきポイントについて説明していきます。
「事実」と「解釈」に分ける
収集した要因を事実(実際に起こっていること)と解釈(物ごとに対する個人または企業としての見解)に分類しましょう。
特にインターネット上では、事実でない情報が多く存在します。正確な分析を行うために、外部環境で起こっている「事実」を正確に摘出することが必要です。
「機会」と「脅威」に分ける
摘出した要因がチャンスになるかピンチになるかは、事業内容によって異なります。自社にとってどのような影響を受けるのかを判断するために、機会と脅威で分類しましょう。
「短期」と「長期」に分ける
また、それぞれの要因によって影響を受ける時間を短期と長期で分けます。時系列を意識することで、対応すべき優先順位を明確にすることができます。
様々な知識や視点をもったメンバーで行う
PEST分析は、政治、経済、社会、技術など幅広い知識が必要となり、分析に時間とリソースがかかります。様々な知識や視点をもったメンバーを複数集め、効率的かつ正確に分析を行いましょう。
PEST分析の具体例
ここからは、ある旅館経営を例にPEST分析を実際に行っていきます。
目的:2024年の売上を前年比5%アップさせること
ゴール:売上アップの具体的な施策を立てること
上記の目的とゴールに基づき外部要因を分類した表がこちらです。
この分析から、「外国人観光客(インバウンド)取込みの工夫」と「人手不足解消のためのDX化」がキーワードとなることが判明しました。
売上アップのための具体的な施策としては、
外国人観光客(インバウンド)取込みの工夫
- インバウンド向けOTAサイトの登録と魅力的なカスタマーページの作成
- 公式ホームページの多言語化
- 多言語でのSNS発信
- インバウンド向け高単価プランの新規販売
- 補助金を活用した外国人スタッフの確保
人手不足解消のためのDX化
- 補助金を活用した自動チェックインシステムの導入
- 補助金を活用した自動精算機システムの導入
実際には「売上を前年比の5%アップさせるための、具体的な宿泊者数や単価の計算」、「インバウンドが予約したくなるプランのアイディア出し」など、内部分析を含めてさらに具体的に落とし込む必要があります。
まとめ
今回はPEST分析について説明しましたが、いかがでしたでしょうか?
環境変化の激しい現代では、企業に影響を及ぼす外部要因について正確に把握していないと、せっかくの機会を逃してしまったり、リスク回避に出遅れたりする可能性が高まります。
ぜひこの機会にPEST分析を活用し、将来の顧客獲得に繋がる戦略を立てませんか?
SWOT分析や3C分析などを併用して調査することで分析の精度も上がります。
万が一、自社で実行するのが難しい場合は、アライブにご相談ください。経験豊富な弊社マーケターがリソース面やノウハウ面において丁寧にサポートいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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